婦人科や女性器形成クリニックに寄せられる相談の中でも多いのが「性交痛」です。閉経前後の女性がほとんどですが、中にはまだ若いと言える年代の人も…。その原因は、膣の潤い不足、もっと言ってしまえば膣が「干からびてしまう」ことにあります。

膣が干からびるとどんな症状が起こる?

膣内は常に分泌液によって一定の潤いが保たれています。また、PHは酸性なので雑菌の繁殖を防ぐ働きもあります。しかし、加齢やストレスによって分泌液の量が減少すると、膣内は干からびて、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。

かゆみや炎症

膣には自浄作用があるため、常在菌がいても体に悪影響を及ぼすことはありません。また、外部からの雑菌の侵入にも、ある程度の抵抗力を持っています。しかし、分泌液やコラーゲンの量が減少すると、膣内は潤いを失って硬くなります。顔や体の皮膚が乾燥すると、ごわついたり小じわができたりするのと同じことです。その結果、膣にかゆみが生じたり、雑菌による炎症が起こりやすくなるのです。

臭い

膣が干からびると、臭いも強くなります。これは、膣内に雑菌が増えやすくなるためです。併せておりものの色が濃くなったり、べとつくようになったら、膣内の環境が変化してきていると考えた方がよいでしょう。

性交痛

膣が干からびることによる代表的な症状が性交痛です。膣内の粘膜が乾燥して硬くなることで、膣そのものが委縮してくるために、性交痛が起こりやすくなるのです。また、性的刺激を受けても濡れにくくなるので、挿入そのものが困難になったり、苦痛や出血を伴うこともあります。

膣のゆるみ

膣が干からびる原因の一つに、膣壁そのものがやせてしまうことがあります。その結果、弾力がなくなり、締めつける力も低下するので、性的満足を得にくくなります。性交痛など他の症状に比べるとわかりにくいため、パートナーから指摘されて初めて気づく、というケースもあるようです。

膣が干からびてしまう原因とは

これらの症状を引き起こす「膣が干からびる」最大の原因は加齢です。年齢を重ねるに従って、女性ホルモンの分泌量は次第に低下し、閉経後は急激に減少します。特に肌や髪のハリや潤いの源であるエストロゲンの量は、同世代の男性よりも少なくなると言われるほど。膣の場合は、栄養が十分に行き渡らなくなるために細胞やコラーゲンの生成が鈍化します。その結果、粘膜が薄くなって膣壁自体がやせて硬くなってしまうのです。

もう一つの原因は、膣のお手入れ不足です。欧米では膣も顔と同じようにケアすべきという考え方が一般的なので、専用の保湿剤や洗浄剤などを手軽に購入することができます。また、しばらくセックスをしていないと痛みや挿入困難が起こりやすくなるのも、膣を使わないことで膣壁が硬くなってしまっているから。つまり、潤いを補っていないためです。
少々微妙な話になりますが、セックスが膣の潤い不足を改善する最も効果的な方法と言われるのも、性的興奮が女性ホルモンの分泌を促し、「濡れる」ことで膣内に潤いをもたらしてくれるからです。パートナーがいない、セックスには積極的になれないという人は膣ケアやマッサージで乾燥予防をするとよいでしょう。

膣の乾燥を改善するには

膣に潤いを与えるには、会陰マッサージが効果的です。オリーブオイルやワセリンなどを親指に塗り、膣に挿入して会陰を伸ばすようにしましょう。入浴後など、体がほぐれて血行がよくなっている時がおすすめです。デリケートな部分に使うので、食用に使えるオイルや、オーガニックのもの、低刺激のものを使いましょう。痛みを感じる時は無理しないように。人差し指や中指でもOKです。

膣ケアで乾燥を撃退しよう

膣の潤い不足に伴う様々な症状は、膣ケアで改善が期待できます。オイルやジェルなどの保湿剤を使ったり、マッサージを行って膣が干からびるのを防ぎましょう。症状がひどい、あるいは膣が乾燥しているかどうか知りたい場合は、婦人科や女性器形成クリニックなど専門医で相談してみてください。